最近ブログの更新が進んでいませんでしたね。
始めたばかりの頃は閲覧数がらなかなか増えなかったけど、いつの間にか3000回越えてました。
拙いお話に付き合ってくださる読者の皆様には、本当に感謝しています。
今日は受診のため診察待ちの間に更新できそうです。
さて、しばらく骨の写真が載ってなかったので、久しぶりに頭骨紹介させていただきたいと思います。
今日のお題はニホンザル。
盛岡には分布していませんが、数年前に近隣で出没してニュースになっていました。
ニホンザルの遺体は拾ったことがないので、今回の個体はネットで購入したものになります。
正面
上面
側面
下面
下顎
今までに紹介した動物達とはまた違った点が多いですね。
眼窩は骨に囲まれてはっきりしていて、頭骨に比して大きいですし、頭蓋は丸みがあり鼻先も突出が緩やかです。鼻腔内の篩骨も海綿状ではなく、塊状になっています。
嗅覚より視覚に特化していることがわかりますね。
また、四足動物と歩行様式が異なるので、脊椎の繋がる大後頭孔の位置が後ろではなく下に向いています。
顎も前後に短く、歯並びは人のようです。下顎もタヌキなどはV字型ですが、ニホンザルは幅の狭いU字型となっています。
全体的に、やはり人に近い形状という印象がありますね。
では、人の頭骨と比較した場合、どのような違いが見えてくるでしょうか?
正面(どちらも♀)。先のものとは別個体です。
側面
人。側面。下顎付き。
下面
上面
下顎
上からと下顎は並べた写真撮り忘れてました。
四足動物と比較すると人に近いけど、人と比較すると結構違いますね。
人の方が安定した形状をしていて、頭蓋も発達しています。その反面、下顎はサルの方が頑丈な印象です。
上からの写真は少し角度が違っているせいもありますが、人の場合、顔面は前に突出している部分が少ないです。
歯の形状は似てるけど、歯並びは人の方が幅が広く、口腔内の容積が広いことがわかります。言語を発するために舌が独自に発達したため、このような形になったのか?と考えてみたり。
他にも共通点、相違点があります。私から余計なことを言ってしまうより、ご覧になって各々で発見して、その理由を考察してみる方が面白いかもしれません。という口実で解説をさぼります。
ちなみに人の骨は個体差が大きく、ここで比較した頭骨が標準というわけではありません。
これも別の人。
あまりないアングル。
診察終わったので、この話もここまで。
それでは、また。