スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

看護師のメリット

 看護師という職業を営む上で動物の骨について詳しくても大して役に立ちません。
 ただ、ある患者さんは同類だったため共通の趣味で話が盛り上がりました。精神科という特性上、気兼ねなく共に過ごせる関係を築くことは重要なので、この趣味も役に立ったのかとは思います。


 では、骨格標本作成において看護師という職業は役に立つのか考えてみました。

役立つこと
1.看護師養成課程では人体の解剖生理学を学ぶため、それを基に哺乳類の身体構造や機能の理解を深めることができます。
2.内科や外科を始め様々な診療科の疾患は哺乳類であれば共通して発症するものもあるため、人体に関する知識をベースとして他の動物の病理も理解しやすくなります。
3.ついでに看護師の国家資格も取れます。
4.看護師として勤務し始めると、病院で使用している医療器具も扱います。そうした物の中には、解剖や標本作りに便利なアイテムもありますので、道具を揃えたり扱ったりする際の参考にもなります。
(但し、消耗品だとしても病院の備品を私的利用目的で持ち帰るのは犯罪ですので、自前で購入しましょう)
5.外科の先生と仲良くなればメスの扱いや縫合の手技なども教えてもらえるかもしれません。
6.勤務体制は病院によりますが、私の病院では三交代なので、深夜勤前、準夜勤後は夜行性動物の活動時間です。出勤前や帰宅時に動物の観察やロードキルの探索もできます。
7.そして大切な感染症対策。動物の遺体を取り扱う際に最も注意しなければならない部分ですが、基本的な感染症や感染対策の知識はしっかり叩き込まれます。

 このように、看護師になることは骨格標本作成に少なからず役立つと思います。しかし、別に看護師でなくとも良さそうですね。
 とりあえず、「仕事と趣味は別にしたい。けど何の仕事をしたら良いか迷っている」という方は、看護師という選択肢も考えてみてください。

 でも本気で動物と向き合う気持ちがあるならそれを仕事にするのが一番ですよね。
 大学の研究者、博物館の学芸員、動物園や水族館の飼育員、獣医師、動物看護師、ペットショップの店員、剥製・標本の作成や販売など選択肢も豊富で、それぞれが魅力的で価値のある職業です。私のように片手間で研究している素人よりも、よっぽど専門的で充実した経験を積むことができますし、研究成果をより効果的に公表できる立場ともなれるでしょう。
 私もあと5年早くこの世界に嵌まっていたら違う道を進んでいたかもしれません。

 それでは、また。