スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

いつも通りタヌキ

 前日からタヌキを解凍していたのに、朝起きたらどしゃ降りで気分が下がりましたが作業開始前には丁度止んでくれて一安心。

 

 そういえば、いつもは作業台の汚染防止に百均のシャワーカーテンを使っていましたが、シャワーカーテンのくせに水分を完全にシャットアウトしなくて、ペットシーツが吸いきれなかった血液・体液が漏れて作業台が汚れるのが悩みの種でした。

 防水性、サイズ、使い捨てできる価格でちょうど良いものを探した結果、DAISOのテーブルクロスに行き着き、最近こちらに切り替えました。

 

 

 120×150cmと大きなサイズなので、二つ折りにして作業台(折り畳みテーブル)に敷き、その上にペットシーツを敷いて養生テープで固定して使用しています。

 

 今回のタヌキは妻とデート中に見つけたので、その時点では拾えず、翌朝コッソリ拾ってきた個体です。

 

4kgの女の子でした

 

 同乗者がいる時に遺体を拾わないのは感染リスクの回避だけでなく、回収に伴う事故のリスクも考慮してのことです。一応停車場所は考えていますが、それでも他の車に追突される可能性は無いとは言えないのでね。家族了承のもとでやってる趣味とはいえ、それにまつわるリスクを自分以外の人に極力背負わせないようにするのが良識ある趣味人というものです。同じようなことは前にも言ってた気がしますが、大事なことなので何回も言います。

 

 そんな訳で、ちょっと鮮度が落ちた状態で回収したものですから、いつもより香りがたっています。 

 拾った時に頭は無事、下半身は折れてる感覚がありましたが、開いてみたら頭以外ほぼ全身ボロボロでした。さらに右前肢の第一趾末節骨も骨折していました。

 四肢の骨が折れることはよくありますが、車に轢かれて指先が折れているのは初めて見ました。

 

 お腹も破れていて、たくさんの線虫らしき寄生虫が溢れていました。

 

 胃袋はパンパン。ほぐして中身を確認したらイチゴが複数出てきて、一晩経った血肉と排泄物の香りの中にフルーティーな香りが時々顔を出し始めて複雑な気分になってきます。拾ったのが5月なので、食べ頃のイチゴがたくさんあったんでしょうね。

 さらにほじくっていくと、ドジョウ、鳥の羽・嘴、モグラの後肢なども出てきました。バランス良く色んな食材を食べていたようです。

上から、イチゴ、タニシの蓋、イモムシとウジ虫、ドジョウ、鳥の羽と嘴、モグラの後肢

 

 動物を解体していると、身体に残された生活の痕跡を色々見ることができますが、特に胃内容物は亡くなる直前の行動がリアルにイメージできるので、重要な情報源にもなります。でも、生き延びるために餌をたくさん食べていたのに、不慮の事故で亡くなってしまった経緯を考えると、ちょっと切ないです。

 

 当初の予想よりも骨折が多くて手間取りましたが、無事に作業終了。

 冷凍庫にはまだタヌキ2頭とボロボロのハクビシンが眠ってます。冬になると解体作業がしづらいので暖かい内に片付けていきたいですが、その前にまた拾ってくるかもしれないし、冷凍庫整理は一進一退です。