職場の先輩が「毛皮鞣しに興味があったけど難しそうで諦めた(あと妻の猛反対が…)」と言うので、『狩猟者のためのハンドクラフト教書』と『牛の博物館』の標本作り自主練習をご紹介しつつ、状態が良い遺体を拾ったら一緒に解体しましょうと誘っていました。
そして先日、夜勤の帰りにきれいなテンを発見。
早速お互いの勤務を確認し、日程を調整して実家で解体作業をすることに。
先輩はジビエが好きで鳥類を食用に解体した経験はあるものの、哺乳類の解体は初めてとのことでした。
解凍したテン(♀)
説明に夢中で作業中の写真は撮り損ねました。
片側を剥いて見せて反対側を実際に剥いてもらいましたが、さすがに鳥類で慣れているため遺体を扱うことには躊躇いがありません。ただ、鳥類との違い、食用との違いに戸惑っていました。
難しさはあるものの、終始感嘆の声をあげて楽しんでいて、鎖骨を見せたり胃内容物を見せたり、ロードキルの現状を説明したりして遺体を収集し骨にして残すことの意義と楽しみを知ってもらえたようです。
骨折箇所は肩甲骨と肋骨にヒビが入っているだけ。胃と心臓・肺の破裂による出血性ショックが死因のようです。胃の中身は主にカボチャと乾いた米だったので民家の残飯を漁ってたのでしょうか?
テンのように体高の低い動物は轢かれる時に踏み潰されることが多いので、潰れていない場合は車のどこにぶつかっているのかいつも不思議に思っています。
お子さんの用事もあり昼前には帰るため、剝皮後は部位毎に切り分けたところで終了。皮はこちらで保存し、後日また一緒に鞣します。
とりあえず沼にハマまらせることはできたようなので、今までボッチでやっていたことを一緒にできる人が増えてくれるのは素直に嬉しいですね。
こうした活動について私のような素人が別の素人に教えることの問題も懸念されるので、積極的に勧めるようなことではないとも考えています。
ただ、「興味があるけどやり方がわからない」という人が見よう見まねで危なげに始めるよりは、経験者としてある程度の教示をすることも必要だと思います。私自身もまだまだ知識・技術不足ですし、手法も多様であることを知ってもらうためにも先述したように文献や研究機関による活動などを紹介していました。
相手ができないこと・自分一人では教えきれないことをどのように補うかまで考えて、ようやく『人に教える責任を負える』と考えています。
最後が堅苦しくなってしまいましたが、無責任にただ楽しむためにやっているわけではないことをご理解いただきたかったので付け加えておきました。
それでは、また。
*おまけ
実家の駐車場の隅に落ちてたネズミの残骸。おそらく近所の外猫にやられたのでしょう。アカネズミかな?