スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

満身創痍のヘビ

 剝皮・大まかな除肉済みのベーレンパイソンをいただいたので骨をバラしていきました。
 一応、事前に肋骨の骨折があると伺っていましたが、骨折箇所は予想以上。生前の骨折とのことですが、骨折が変形して治癒したのか、二又に分かれたものや、瘤状になっているものも…。


肋骨を1本ずつバラして並べた状態。これでも左側のみです。


瘤のある肋骨


2本の肋骨が途中から1本になっていたり


真ん中から二又に分かれていたり


脊椎にも所々瘤のようなものがあります

 普通、骨折って一ヶ所に力が加わって生じるので、ヘビの肋骨が骨折するなら限局的なのだと思いますが、この個体は骨折箇所がみんなバラバラでした。1本折れていてもその両隣を含む周辺の骨は無傷だったり。どんな力が加わればこんな折れ方するのか不思議です。
 解体時にも多少の破損が生じた可能性もありますが、骨折していた骨のほとんどは治癒した跡があるので、やはり生前のもののようです。

 生きてた時は痛みもあったかもしれません。しんどかったでしょうね。そして解剖された方も、骨折だらけで大変だったでしょう。
 正直、これだけ骨折が多いと組み立ては難しそうですが、それはそれでやり甲斐があって燃えますね。上手く作れる自信はありませんが。



肋骨が納められたお茶パック

 肋骨や指骨など、バラけると順番がわからなくなるシリーズの骨は、お茶パックや出汁パックに1本ずつ分けて入れて順番通りに糸を通してまとめておく派です。あとはこのまま水や入れ歯洗浄剤などに浸けて完全に除肉します。
 ここまでの作業時間は約4時間。まだ肋骨は半分残っています…

 それでは、また。