ようやく夜が過ごしやすい季節になってきましたね。
朝方ひんやりするくらいが丁度良く感じます。
今年拾った遺体は粗方処理も済んで箱に納めることができましたが、それより前に骨にした子達がまだ手付かずのままだったので、そちらもボチボチ処理しております。
今日はウサギの骨洗いとネコの乾燥。
初めてウサギの骨を取った時は、ネコやタヌキとの違いがたくさんあり驚いたものです。
科も目も違い、食性、運動機能なども違うので当たり前と言えば当たり前。でも初心者にとっては、こうした違いに気付くことで動物や骨格を知ることの楽しみがさらに増していくのだと思います。
という訳で、今回はウサギとネコとタヌキと、ついでにヒトの四肢の骨を見比べてみましょう。
まずはトウホクノウサギの全身。頭骨、左肩甲骨、複数の肋骨に骨折があります。
左肩甲骨。左から、ウサギ、ネコ、タヌキ、ヒト。
ヒトを除いたバージョン。
ウサギ
細長い三角形。何か突起が出てるし、形がちょっと複雑です。この形がどんな効果をもたらしているのかわかりませんが、速く走るために後肢が発達していることと関係があるのかもしれません。
ネコ
丸みがあり、突起も緩やか。他二種より面積が大きく、肩甲骨が支えている筋肉の大きさ、多さが窺えます。狩りや木登りなどで前肢をよく使うためだと思います。
タヌキ
長方形に近い形。こちらもあまり突起はありません。筋肉の付着する面積はネコより狭く、ウサギより広い。あまり前肢を使うことがないため、歩行に使うくらいの筋肉と可動域があれば良いので、特殊化が乏しいのかもしれません。
前肢(上腕骨、橈骨、尺骨)。左からヒト、ウサギ、ネコ、タヌキ。
ヒトを除いたバージョン。
ウサギはネコやタヌキより小さいので、当然骨も小さく、華奢な印象です。
ネコとタヌキは長さこそ違うものの、太さはほぼ同じです。この写真ではわかりづらいですが、細かい形状は所々違いがあるので、筋肉の付き方や前肢の使い方が異なることもわかります。
ヒトは肩甲骨に繋がる部分(上腕骨頭)が他の動物より平らに近い形になっているので、より広い関節可動域をもっていることが窺えます。
後肢(大腿骨、脛骨、腓骨)。左からヒト、ウサギ、ネコ、タヌキ。
ヒトを除いたバージョン。
大腿骨の長さはウサギとネコではほぼ同じですが、脛骨、腓骨はウサギの方が長いです。
タヌキもウサギより大きいのに、肢は短いですね。
ウサギの脛骨と腓骨は元から繋がっています。これが俊足の秘訣なのでしょうか?タヌキもたまたま繋がっている個体でしたが、本来はネコのように別個の状態です。
ヒトは骨盤に繋がる部分(大腿骨頭)が、より丸い形をしています。そのため四足歩行の動物より関節可動域を広くとることができるのです。
肩関節は丸くない方が関節可動域が広く、股関節は丸い方が関節可動域が広い。なんか矛盾してますね。
その理由は、上腕骨&肩甲骨と大腿骨&骨盤とでは関節の繋がり方が違うからです。たくさん文字を打って疲れたので、気になる方は自力で調べてみてください。
それでは、また。