スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

上半期集計結果発表

 早いもので、今年ももう半分が終わりました。
 そしてこの酷暑。冗談抜きで命に関わらんばかりの暑さに、「これから夏本番なのか…」と辟易しております。

 という訳で、特に意味はありませんが、最近ネタになることもなかったので、今年1月から6月までの間に私が遭遇したロードキル被害者の内訳を発表します。


1位 ホンドタヌキ:19

2位 ネコ:6

3位 トウホクノウサギ:4

3位 ニホンアナグマ:4

4位 ホンドギツネ:3

4位 ニホンイタチ:3

4位 ハクビシン:3

5位 ホンシュウシカ:2

6位 ニホンイノシシ:1

 以上。
 探索ルートや時間など条件は統一していませんし、毎日探しているわけでもないので「盛岡近郊では〇〇の事故死率が高い」と一概に言えるわけではありません。
 それでも、やはりタヌキは断トツで多いですね。生息数が多いだけでなく、人間の生活圏に最も近い野生動物である証だとも思います。それに、車の接近に対する反応が他の動物と違います。下手すると車が来て一旦路肩に避けたのに、車が通過する際に車に向かって来たりします。パニックになりやすいのかな?
 
 2位は野生動物ではなく愛玩動物でした。これも「ヒトに飼われている」「ヒトから餌を与えられている」などヒトの生活に依って生存しているが故に、交通量の多い場所を行き来する頻度が多く事故に遭いやすいのでしょう。

 3位はウサギ。1頭差なのでネコやハクビシンなどと同率みたいなものです。でも生きてる姿を見る機会は意外と少ないです。警戒心強いはずなのに、車が近付いても焦らずゆっくり避けていきます。そして大抵は発見時すでに潰れています。タヌキやキツネより身体が小さい分、遺体を認識されるのが遅れて後続車に踏まれ易いのかもしれません。

 同じく3位のアナグマは普段生体、遺体ともに遭遇率はあまり高くありません。冬ごもりをするので上半期はロードキルも少ないですが、今年は割合的に多い方です。尚、成体は肉も骨もがっしりしていて脂もたっぷりで重いので、回収は結構大変。なぜか全身が伸展位(関節を伸ばした姿勢)で亡くなっていることが多く、死後硬直してると45㍑の袋に収まりません。さらに長い爪でペットシーツも袋も穴を空けてしまいます。

 4位はキツネ、イタチ、ハクビシンが同率でした。
 キツネは生体との遭遇率が高く、身近な場所でもよく見かけます。それでも轢かれる件数ではタヌキより遥かに少ないのは、行動範囲や車への反応の違い、生息数の違いによるのかもしれません。たぶん
 イタチは逆に生体を見ることはほとんどなく、轢かれる時も直でタイヤに踏まれているようで、綺麗な遺体を見つけるのは極稀です。以前見付けたハタネズミ咥えたままの個体は綺麗でした。
 例年はハクビシンがもっと多いのですが、今年はまだ少ないです。夏~秋頃になると果樹園に出没するので、これから増えてくるかも。車への反応はそこそこ良く、すぐ逃げます。
 
 5位はシカ。群れで行動するので見かける時は複数見られます。しかし、身体が大きく目立つので轢かれる割合は低く、轢かれても死なないことも多いです。故にロードキルも少ない。また、シカが死ぬ程の衝撃を与えられるのはトラックなどの大型車両か洒落にならないスピードの車のため、損傷も大きくなりがちです。鹿のロードキル現場には必ず車の破片も落ちています。

 6位はイノシシです。人生初のロードキルイノシシでしたが、見かけ以上に損傷が激しく骨を取れる状態ではなかったので写真だけ撮っておきました。イノシシも盛岡近郊で増えているので、今後骨取り向きの遺体と出会えるかも。できれば成体が欲しい。


 私の収集対象は骨がメインなので、状態によっては回収せず山に返すこともあります。また、最近は状態の良い遺体は研究者へ寄贈しているので、私の手元に残る個体はわずかです。
 個人の趣味のレベルでは見付けた遺体全てを捌ききれませんが、こうして活用してくれる方々がいるおかげで亡くなってしまった動物達の遺体を無駄にせずに済んでいるので感謝しています。
 
 そして、何度も言ってますが私の骨標本作りはあくまでも素人の趣味です。偉そうなことを言ってても界隈から見たらただの一般人です。
 しかし、昔から『ヒトと動物の生活がどのように交わり、それがどのような現象を起こしているのか』を考えることが好きで、専門知識も経験もないなりに色々考察してみることは面白いと感じています。
 
 それでは、また。