スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

連休の大物

 今年の夏は暑いですね。

 岩手も連日真夏日で雨が全然降らず、農作物の生育が心配です。

 肉を腐らせるには良い条件なんですがね…

 

 そんな中、届いたのが巨大な冷凍便。夜勤明けで寝ている間に妻が受けとってくれましたが、重くて運べなかったため玄関に置かれていました。

 

 いつものことながら敢えて中身は問わない察しの良い妻。いそいそと開封する夫。

 まだ凍っているのに爬虫類特有の香りの中に若干の腐敗臭が…

 大きい分匂いも強く、一晩風呂場で解凍してみると風呂場に香りが充満してしまいました。

 

 作業台に載せてみましたが、いつものペットシーツでは役に立たないので今回はビニールシートを敷いています。

 屋外でも香りが強烈です。

 

ミズオオトカゲ

 体重12.9kg、体長91cm、尾長121cm

 デカイ!重い!長い!

頭だけでも私の手より大きいんです。

 

腹。

下顎は細かい鱗。

胸辺りの鱗は六角形。

お腹に向けて将棋の駒みたいな五角形になり、中心はジッパーのように左右が噛み合う形になっています。

 

所々爪がなかったり。

長い指と爪もカッコいい。

 

 全身触りまくってみましたが、筋肉が感じられないくらいプヨプヨで、お腹もぺったんこでした。

 前回のヤギと同様、何かしらの病気で衰弱していたのかと思いましたが、違いました。

 正中から切り開いていくと、筋肉が腐敗して溶けかけており、内臓も消化管以外は形をかろうじて保っている程度で、緑やら紫やらカラフルになっておりました。

 さすがにこの写真は載せられません。

 

長いと噂の舌骨。

 

 この日は剥皮しきることができず、内臓を除去した後、尾の付け根の骨を外して尾を残した状態で塩漬けしておきました。

 

~二日目~

 残りの尾の皮を剥いていきましたが、背部の骨と皮の境目が不明瞭なので尾の剥皮だけでも2時間かかってしまいました。

 とりあえず皮には肉が沢山残っていましたが、塩漬けして冷凍しました。

 

 肉の腐敗も進行中で、ハエがまとわりついて邪魔なうえに、作業場に選んだ日陰がクマバチの巣の近くだったので、クマバチに邪魔者扱いされながらの作業となりました。

 この日は頭、四肢までバラしたところで時間切れ。除肉までは出来ず…

 元から肉は水浸けで腐らせる予定でしたが、手根骨や頭骨がバラバラになるのは避けたかったので、腐敗が進まないよう乾燥させておきます。

 

~三日目~

 除肉の続きをしつつ、さらに細かくパーツ分けしていきます。

 肩甲骨、肋骨、骨盤を外し、尾を6分割し、左の前後肢を1本ずつバラして出汁パックや排水口ネットに入れておきましょう。

左前肢手根骨(橈骨・尺骨側)

左前肢手根骨(指骨側)

 

 手根骨、足根骨は位置関係がわかるように記録しつつ、組む際の参考にするため右前後肢をバラさず乾燥させておきました。

 

 あとはいつも通り自然の力に任せます。

 結局ここまで三日かかってしまいましたが、たまたま四連休だったので助かりました。

 連日猛暑の中、屋外で防護具を装着して作業するのは疲れますね。こまめに休憩、水分補給をしつつ進めましたが、色んな疲労が蓄積してしまい、連休最終日は寝たきりでした。

 

 それでは、また。