スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

自主練習してきました

 昨日は牛の博物館主催の『動物の標本づくり自主練習』に初参加してきました。

 

 牛の博物館自主練習については前から知っていたものの、看護師のくせに人見知り&コミュ障なもんで、団体に参加したり人に声をかけたりするのに及び腰になっていたのです。第一回ホネホネサミットに参加した時も、一人でウロウロ徘徊してただけだったなぁ…

 ホネ活を始めて20年弱、ずっと一人で活動していて解体や骨取りの方法も独学だったので、きちんとプロから学べる機会を活かしたいと考えて参加を決意しました。

 

 恐る恐る会場の扉を開けると、既に作業が始まっていて、入室前の説明を受けてから準備をして入室しました。

 理科室みたいな懐かしくもワクワクするお部屋に入ると、標本作成の方法や注意点が貼られていたり、解剖道具、本などが目に入り、作業台ではタヌキとアナグマの皮の脂取り中。

 学芸員さんから活動参加にあたっての説明を受け、脂取りの見学をして、途中からタヌキのお手伝いをさせていただきました。

 この日は初参加が私を含めて3名と博物館学芸員さんと他メンバーさん6名での活動で、後から来た方々はテンの頭の型取りと除肉、皮の処理をしていました。

 

 いつも一人無言で作業しているので、会話をしながら作業できるのは楽しかったですし、実際の作業を見たり皆さんのお話を伺ったりできたのでとても勉強になりますね。なんでもっと早く行かなかったのか、自分の性質を悔やんでみたり。

 

 個人的には作品を購入させていただいていた作家さんとも会えたことも喜びのポイントではありましたが、ここでも緊張しすぎて作品についてお話できなかったという悔やみポイントもあったので、次回以降の課題とします。

 

 という訳で、今後も勤務の都合がつけば参加していき、ちょっとずつ骨仲間との出会いを増やして社交性を身につけていきたいと思います。

 

 それでは、また。

 

*おまけ

次回予告。面白い素材が届いたので久しぶりに血肉の話をします。

その子のうんち 

 

 

エコも濁ればエゴになる

 気が付いたら今年ももう半月が過ぎていましたね。

 肩、腰、膝の痛みがひどくて最近は骨作業ができなかったので、ネタがなくブログの更新も滞っていました。

 そこで今回は最近のニュースで話題になっている淀川のクジラについて、個人的な考えを語っていきます。

 

 まず、クジラに限らず本来の生息域を離れて人目に付く場所に珍しい生物が姿を現すとニュースになりますが、得てして哺乳類や鳥類だと「可愛い」「珍しい」と言って見物人が集まり、「〇〇ちゃん」と名付けてマスコット扱いされるのに、爬虫類や無脊椎動物だと「キモい」「危険」と厄介者扱いされますよね。そしてなぜか魚類は群れるとニュースになり、両生類はほとんど話題にもならない。世間一般にとってこれらの生物がどのような見方をされているのかがわかりますが、こうして世間が盛り上がる現象をいつも複雑な心境で見ています。

 

 さて、今回クジラの遺体の処理についてTwitterで「標本にするのは人間のエゴではないか」というような主旨のコメントがありましたが、こうした意見の中には標本を残すことの意義を誤解している場合があると感じます。

 標本を残す意義については以前から多くの研究者が仰っているので私が語ることではありませんが、標本は社会や自然に還元できる情報を1つでも多く後世に残すための資料となります。つまり行動原理が自身の個人的な興味や探求心に則ったものだったとしても、公共の益に資することを最終目的とした研究者らの行為はエゴと逆のものだと思います。

 むしろ自然を愛する者を自称し、「生物の生きた証を残したい」とかそれらしい言葉を並べるくせに作った標本や得られた情報を共有せずに一人で抱え込んでいる私こそがエゴイストでしょう。叩かれても仕方ない。

 

 「自然に還してあげて」という意見もありましたね。自然をあるがままにするべきという考え方は否定しませんが、ヒトの手によって造られた環境に野生動物が入り込んだ場合、そこを生活圏とする人間に少なからず影響を及ぼすことになるため、人間の介入は不可欠となります。

 大阪湾について簡単に調べてみただけでも、大小様々な湾港が並び、工業、漁業、商業、住居、レジャーなど多くの人間の生活・活動に関係する環境であることがわかります。すると、クジラの遺体が湾内に放置された場合、浮遊する遺体そのものや分離した脂肪や体組織による船舶の航行障害や漁業へのダメージ、湾内の施設や水質の汚染、腐敗臭等による住民のQOL低下などが考えられます。また、二次的には遺体に集まるサメなどの大型肉食動物がさらなる漁業や航行、レジャーへの影響を及ぼす可能性もあります。

 遺体を沖に曳航するにしても引き受けてくれる業者を手配し、費用も含めた計画を立て、他の地域に漂着したり遺体と船舶が接触したりしないように確実に沈める処理をしなければなりません。その作業も安全とは限らないので、引き受けてくれる人達への配慮も必要になるでしょう。

 

 もちろん標本を作るにも費用はかかりますし、重機を扱う業者等の手配も必要になります。また、標本を作ることは自然界の資源を人間界に持ち去るという行為でもあり、本来ならその遺体を食べて生きられたであろう他の生物たちの不利益になるという側面もあるので、標本にするデメリットもあるとは言えます。但し、先に述べたように少なくともお金と時間をかけた分の見返りは未来に残されます。

 

 これらを考慮したうえで研究者も行政も対処法を検討していると思いますし、費用と実行可能性を踏まえて最終的な結論が出されます。

 と文章を考えている間に『沖に沈める方針』というニュースが流れてきました。標本にはできないのかぁ、残念…

 

 残念でしたが、行政がそう判断したのなら仕方ありません。沈めた場所が研究機関に共有されるなら鯨骨生物群集の研究はできそうなので、それも無駄にはならないと信じます。

 

 長々と語ってしまいましたが、結局何が言いたいのかというと。

 こうした問題に関して人それぞれ立ち場も考え方も違うので様々な意見が出るのは当たり前です。どんな意見にも意味はあり、その人の気持ちもわからなくはありません。しかし、クジラの遺体が存在することによる影響を受ける人と処理を決断・指示・実行したり、費用を捻出したりする人以外が、その対応に関して批判するのは好ましくないと思うのです。

 理解・納得できないのであれば『質問』すればいいし、自分の考えを伝えたいのなら『意見』を述べれば参考にされることもあるでしょう。ところが『批判』はそのどちらでもなく、安全な場所にいて金も手も案も出さない無関係者が当事者の邪魔をしているだけです。今回のクジラの件に限らず、様々な野生動物との問題に関わる方々に私は敬意を払いたいですし、多くの人がそうあって欲しいと願います。

 

 最後に、「動物が可哀そう」と言う人達へ。

「動物は物語を生きていない。だから、生死に勝手なドラマを読み込んで憐れんだり、悲しんだり、ましてや罪悪感を覚えたりするのは人間のエゴでしかない」

出典:施川ユウキ『鬱ごはん』(第156話 葉っぱをくれた猫)より

 

 それでは、また。

 

 

 

博物館デート

 妻は休日起きません。

 私は習慣でいつも4時には覚醒してしまうので、妻子の寝てる間に仕事や趣味のことをやりつつ朝食を作って娘の起床を待っています。

 6時半、娘起床。娘に起こされた妻もリビングに顔を出しましたが「ごめんなさい」と言い残し再び寝室へ身を潜めていきました。

 

 朝食を済ませて遊んでいると、娘が「今日はどこ行くの?」って聞いてきたので、ここぞとばかりに「お散歩に行こう」と言って岩手県立博物館に連れ出した次第です。

 博物館の企画展『水辺の生きもの』に行く機会を逃しまくっており、本日が最終日だったので間に合って良かったです。

 娘は1歳位の頃に1度行ったけど覚えていないでしょうから、実質的に人生初博物館となります。

 

 館内に入るとすぐにエントランスホールの巨大な毘沙門天像にビビる娘。

 次いで恐竜の頭骨にビビる娘。

 でもマメンキサウルス全身骨格はデカすぎて視界に収まらなかったのか、ビビらず眺めていました。

 2階に上がってもチャグチャグ馬っこの模型にビビる娘。

 こんなにビビりまくりで大丈夫か?

 

 パレオパラドキシアやウシの骨格、土偶縄文人は大丈夫でした。刀や巻物には無関心でスルー。

 しかし、歴史のコーナーにある蝋人形には怯えてしまった娘。わかるよ、パパも小さい頃これの前で泣いてた記憶あるもの…

 

 一番はしゃいでたのはここでした。岩手の地形模型でボタンを押すと市町村や山、ダム、科学施設等の場所のランプが点くやつ。

 単純に『押すと光る』という反応が面白かっただけでしょうけど、しばらく離れませんでした。

 

 その先は岩手の自然のコーナー。岩手に生息する動物達の剥製が展示されています。

一番手前にアナグマがいるのが嬉しい。

 

 イヌワシの巣のジオラマも娘的にはツボったようでした。

 

 そしてお目当ての企画展へ。

 入口で出迎えてくれたのはツキノワグマ、イノシシ、シカの剥製でした。

 鳥の剥製がずらりと並んでいるのが目玉ですかね。どの剥製も生き生きとしてて見とれてしまいます。

 

ケリとコチドリのヒナの剥製

 こんな小さいのも作れるって凄いですね。

 

 この辺りで起きた妻からLINEが来ました。

 本当はもっと写真撮りたかったのですが、スマホを構えると娘が自分を撮れと言って前に出てくるので、ほとんど撮れなかったのです。

 

 二階からもマメンキサウルスが見られます。

 

 一階に降りて『いわて自然史展示室』へ。

 ここは岩手で出土した鯨類の骨から、現生の鯨類や鰭脚類の頭骨レプリカ、ウミガメやアザラシの剥製等、私の琴線に触れる展示品が多く、お気に入りのスポットでもあります。

見る度に欲しくなる棚。

 

 でも娘はスルーして先に進んでいくもんだからゆっくり見られず…

 

 次はハエトリグモの巨大模型。腹側から入ってハエトリグモの視界を体験できます。

 実はこれ、過去にクモの企画展の時に展示されていたもので、娘が生まれる前に妻とデートで行って写真を撮った思い出の品でもあります。「常設展示にしてくれてありがとう!」と毎回心の中で思っています。

 娘は怖がって入りませんでしたが。

 

 最後は再び鳥達の剥製が並ぶコーナーです。ニホンオオカミ(と言われている)の皮やニホンカワウソの剥製もあります。

 

イヌワシ親子

 この親子の由来に関する解説文は短いながらとても印象深い内容で、いつも心に刺さります。そして「それをこんなに綺麗な剥製に仕上げられるのも凄いな」と、制作者の技術力にも感心しています。

 どんな解説か気になる方は実際に足を運んで読んでみてください。

 

 展示品を見終わったらミュージアムショップでお買い物。

 というか、娘がガチャガチャをしたいとグズるけど小銭がなかったので、博物館のオリジナルグッズを買って売り上げに貢献しつつ、小銭を作ってガチャガチャをさせただけ。

 

 正直、娘がまだ小さいので、うるさくしたり展示品に手を出したりしないか、蝋人形に怯えてトラウマにならないかとか心配して今まで連れて行くのを控えていました。でも今日行ってみて(蝋人形以外は)大丈夫なことが実証できました。

 

 今回はゆっくり見られませんでしたが、お互い十分に楽しめましたし、いつ行っても何回行っても楽しめるのが博物館の魅力です。幅広い分野の展示品がある博物館では、子どもでも絶対に何かしら興味を持てるものが見つかるので、飽きられることがなくて親としても助かりますね。

 しかもこれだけ見られて入館料310円、子ども無料って公立の強みを活かしたリーズナブルさ。雨天でも冬でも関係ないし、広くて密にもならないから安心。

 欠点を一つ挙げるなら、この年になると駐車場からの長い階段がしんどいことくらいでしょうか。

 

 私の父親も博物館友の会会員で、小さい頃から博物館やイベントに連れて行ってもらっていたので、これからは私が娘を博物館漬けにしてやりたいです。

 

 それでは、また。

 

*おまけ

ボツ写真

『マメンキサウルスの写真を撮ろうとしてる父親の前で自分が撮られると思って踊っている2歳児の後ろ姿』

イノシシを並べただけの日

 昨年解体したイノシシは無事に骨になりました。それを外に放置し続けていたので回収して状態を確認しました。

 が、YouTubeで作業用のBGMをかけてたらそっちに気が向いてしまって作業が進まず、今日は骨を並べただけです。

 

 

 食用に処理されていたので四肢は足根骨から先がなく、なぜか尾椎もありませんでした。他の骨は一応一揃いありそうです。

 

 あとは死蝋の除去と脱脂をして完成とします。

 

 

 

旅行2日目

 旅先の朝の気温は0℃。

 なんか息苦しいなと感じて目が覚めて、見てみたらC-PAPのホースをマスクに繋げていませんでした。セッティング中に力尽きて寝てしまったようです…

 睡眠時無呼吸症候群の人はどこへ行くにもC-PAPという余計な荷物と共にする運命にあります。なのに使わなかったら運び損です。

 

 そして気付くと枕元に某和柄ファッション専門店の袋がありました。上には何やら手紙のようなものも。

妻からの誕生日プレゼントでした。

 

 この日は私の40歳の誕生日だったのですが、まさかこのタイミングでプレゼントがあるとは思っていなかったので驚きました。妻と娘からのお手紙も嬉しかったです。

今昔KON-JAKUのパーカーとロンT

 キツネをモチーフにしたデザインが特徴のブランドです。キツネ可愛い。

 

 さて、2日目は妻の希望で岩手サファリパークへ行ってきました。私も初めてです。

 自家用車で入ると傷付けられると聞いていたので、バスで園内を回ります。

トラとか

ラマとか

キリンはデカすぎて撮れない

 

 草食動物はバスからエサやりもできるとあって、娘は恐がりつつも楽しみながらエサをあげていました。

 

 恐竜もいました。

ディノニクス?

頸椎がどっか行った骨格

発泡スチロール製なんですね

昭和のイメージ

 

 ゾウに乗ったりエサやりしたりした後は、道路向かいの食堂で昼食を摂り、またウロウロ。

 

マーラーとか

カピバラとか

ペンギンとか

ケヅメリクガメとか

ライオンの頭骨とか

下顎の位置が気になりすぎる

角を見比べるコーナーもありましたが

(ムフロンの角、なんで骨ごとなんだ?)という所が気になるのは私だけなんでしょうね。 

 

 写真を撮っていませんが、他にもボールパイソンやコンゴウインコ、ワオキツネザルなどエキゾチックアニマルが沢山いました。

 

 サファリパークという生体展示方法やエサやり、ゾウに乗るイベントなどに関しては動物福祉の観点などから全肯定することはできませんが、親としては「娘には生き物に興味関心を持ってもらいたい」という考えもあります。

 幼いうちから様々な体験を通して五感で生物のことを知り、その上で動物福祉、生物多様性環境保護などの概念を理解できる年になってから生物との望ましい関わり方、どういう行動をするべきかを考えられたらいいなと思っています。私自身も幼い頃には手当たり次第に何かしら捕まえては飼育を試みて多くの命を奪ってきたので、偉そうなことは言えませんし。

 

 言い訳は置いといて。

 この後は帰りたがらずにグズる娘をおやつで釣ってチャイルドシートに座らせて帰宅しました。一関から盛岡までは結構距離があるので、あまりゆっくりしてられないのです。

 

 この2日間で発見したロードキルは8個体。内訳は以下の通りです。

 カラス3、タヌキ2、イタチ1、不明2

 タヌキ1頭以外は全て高速道路でした。家族と一緒の時は拾わないことにしているし、そもそも高速道路では回収不可能なので全て見送るしかありません。

 

 運転は疲れましたが妻と娘が喜んでくれたし、自分も楽しんでこれたので良い2日間でした。

 夕飯は残ってた肉じゃがの汁で白菜と椎茸、豚バラを煮込んだやつにうどんを突っ込んだ雑料理で締め。娘を寝かしつけつつ先に寝る悪い父親の姿を見せつけてやりましたよ。

 

 それでは、また。

 

*おまけ

ゾウに向かう妻子を盗撮

 

親子で初旅行

 昨日今日と家族3人で初めての一泊旅行に行ってきました。行き先は奥州市水沢。

 娘が生まれたのはコロナ禍真っ只中だったので今まで遠出をするのを控えていましたが、妻から「そろそろ旅行行きたい」と要望があり、感染者数も落ち着き始めていたので県内の温泉に行くことを決めました。

 宿を予約してから第八波のニュースが流れてきましたが、もはや妻のフラストレーションは限界だったのです。

 

 妻の唯一の趣味が御朱印集めなので、宿の近くで御朱印が貰える神社を調べて初日は神社巡り。

 

駒形神社

 

 やたら車が多いと思ったら七五三だったんですね。きらびやかな衣装のお子様とご両親方の姿がチラホラ見られます。

 

『福猫の木』らしい

 この木に猫の姿が隠れてるってこと?

 探してみたけど分かりませんでした。

 

 御朱印を貰った後は神社の隣の公園でシャボン玉で遊ぼうとしたら、唐突にケージがあってクジャクと鶏がおりました。

今はクジャクは1羽しか見えせんが、元々はつがいだったようです。

 

鶏を狙うネコ

 首輪をしていて人馴れしているので外飼いの子でしょう。フェンスの中には入れないけど鳥達にとってはストレスですね。

 

鎮守府八幡宮。後ろ姿も可愛い娘。

 二ヶ所目。ナビに沿って行ったものの、田んぼの中の細い道路に入っていき本当に合ってるのか心配になるような場所でした。そして、ここにも外飼いのネコがいました。

 他に人はいなく、後からイヌの散歩の夫婦が来たくらい。

 

カエル

手水のそばの看板。夏に来てたら見れたかも。

看板の隣の杉の木にありました。今はもうもぬけの殻。

 

スズメバチの罠

 スズメバチへの対処法がわかっていれば必要以上に恐れることもないと思いますが、巣のある場所が手水の隣なので「近寄るな」とも言えないですし、参拝者を守るために神社の管理者としてはやらざるを得ないこともあるのでしょうね。

娘のおみくじは大吉

 ちなみに、この日は神社の人が不在だったので御朱印は貰えず。落胆する妻。

 

 お宿は薬師堂温泉で、ホテルの周りにコテージに泊まりました。

 部屋の隣に車が停められるし部屋が独立しているため、荷物が運びやすく他の宿泊客への気兼ねもしなくて済むので、子連れには大変助かります。

 

 親子3人で21畳の部屋はかなり広々使えて良かったです。すでにお布団が敷かれており、温泉と食事はホテル内でいただきます。

 接客、料理、温泉は良かったのですが、お布団が短くて175cmの私の身体では肩まで掛けると足が出て、足を隠すと肩が出てしまいます。エアコンをつけて寝ましたが部屋が広くて窓が多く、今朝の最低気温も氷点下だったため、ちょっと寒かった。

 

 2日目は後程。

デザインナイフ比較

 先日ダイソーでアルミ製のデザインナイフを見つけたので、従来品との比較をしてみます。

 

 従来品はボディがプラスチック製で特に使用していて困ったことはありませんでしたが、実際にアルミ製を使ってみて良さそうなら切り替えようかと思っていました。

 

パッケージ

 

 アルミ製の方が長さ3cm、幅も1cm弱コンパクトです。収納という点では良いですね。パッケージを固定するテープも従来品は2枚なのに対してアルミ製は1枚でした。パッケージにかかる資源、費用を削減した結果でしょうか?

 

本体

 

 本体も若干アルミ製の方が短く細いですね。大きな違いはボディにグリップが付いたことと、刃を交換するために回す部分(締め金具)が先端になったことです。従来品はお尻にありました。

 実はこの違いが使用感に影響していました。理由は後程。

 

キャップ(左:従来品、右:アルミ製)

 

 あまり関係ないですが、キャップのデザインも変わっていました。アルミ製には穴がなく、先端に凹みがあります。これがどんな意図によるものかは不明です。

 ちなみに刃は従来品と同じなので切れ味は変わりません。

 

 さて、では実際に解体に使った場合にはどうなのか?

 前回のアナグマ、タヌキの解体時に初めてアルミ製の物を使ってみました。

 

 結果としてはグリップがあることで滑りにくいかと思いきや、脂の多い個体では結局滑ってしまいグリップの効果は得られませんでした。

 軽く細いため持っていて疲れることはありませんでしたが、作業中に何度か刃の固定が緩んできたのが気になりました。従来品では作業中に緩むことはなかったので、アルミ製故の現象なのでしょうか?

 作業中に突然刃が外れたら怪我の原因にもなり非常に危険です。

 

 原因として考えられるのは先端に配置された締め金具?

 皮や肉、関節などに刃を入れて切り進む際、刃は組織に挟まれた状態となり、締め金具は把持する場所にあるため指で固定された状態になります。その状態で縦横に切る動作を繰り返すうち、刃と締め金具の間に回転力が生じて緩みが出たのではないかと考えました。

 但し、検証はしていないので断定はできません。単に製品に別の問題があったのかもしれませんし、私の持ち方が悪かったのかもしれません。

 デザインナイフの本来の用途として『刃を深く刺して立体的な作業をする』ということは想定されていないでしょうから、それは仕方のないことですし、事故に繋がっても自己責任となります。

 

 耐久性はアルミが勝りますが、消毒に使う薬品は腐食作用のあるものでは注意が必要となります。

 

 今回使用した対象が中型哺乳類で脂肪も多い個体達だったため滑ったり緩んだりしたのでしょうが、皮下脂肪の少ない鳥類・爬虫類・両生類や小型哺乳類ならアルミ製でも問題ないと思います。

 以上を踏まえて、私は解体なら従来品の方が扱いやすいですが、対象によってはアルミ製でも使えると感じました。

 

 刃物は十分に気を付けて取り扱うことと、本来以外の用途に用いる際はその製品の特性を考慮して選択する必要がありますね。

 

 それでは、また。