スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

デザインナイフ比較

 先日ダイソーでアルミ製のデザインナイフを見つけたので、従来品との比較をしてみます。

 

 従来品はボディがプラスチック製で特に使用していて困ったことはありませんでしたが、実際にアルミ製を使ってみて良さそうなら切り替えようかと思っていました。

 

パッケージ

 

 アルミ製の方が長さ3cm、幅も1cm弱コンパクトです。収納という点では良いですね。パッケージを固定するテープも従来品は2枚なのに対してアルミ製は1枚でした。パッケージにかかる資源、費用を削減した結果でしょうか?

 

本体

 

 本体も若干アルミ製の方が短く細いですね。大きな違いはボディにグリップが付いたことと、刃を交換するために回す部分(締め金具)が先端になったことです。従来品はお尻にありました。

 実はこの違いが使用感に影響していました。理由は後程。

 

キャップ(左:従来品、右:アルミ製)

 

 あまり関係ないですが、キャップのデザインも変わっていました。アルミ製には穴がなく、先端に凹みがあります。これがどんな意図によるものかは不明です。

 ちなみに刃は従来品と同じなので切れ味は変わりません。

 

 さて、では実際に解体に使った場合にはどうなのか?

 前回のアナグマ、タヌキの解体時に初めてアルミ製の物を使ってみました。

 

 結果としてはグリップがあることで滑りにくいかと思いきや、脂の多い個体では結局滑ってしまいグリップの効果は得られませんでした。

 軽く細いため持っていて疲れることはありませんでしたが、作業中に何度か刃の固定が緩んできたのが気になりました。従来品では作業中に緩むことはなかったので、アルミ製故の現象なのでしょうか?

 作業中に突然刃が外れたら怪我の原因にもなり非常に危険です。

 

 原因として考えられるのは先端に配置された締め金具?

 皮や肉、関節などに刃を入れて切り進む際、刃は組織に挟まれた状態となり、締め金具は把持する場所にあるため指で固定された状態になります。その状態で縦横に切る動作を繰り返すうち、刃と締め金具の間に回転力が生じて緩みが出たのではないかと考えました。

 但し、検証はしていないので断定はできません。単に製品に別の問題があったのかもしれませんし、私の持ち方が悪かったのかもしれません。

 デザインナイフの本来の用途として『刃を深く刺して立体的な作業をする』ということは想定されていないでしょうから、それは仕方のないことですし、事故に繋がっても自己責任となります。

 

 耐久性はアルミが勝りますが、消毒に使う薬品は腐食作用のあるものでは注意が必要となります。

 

 今回使用した対象が中型哺乳類で脂肪も多い個体達だったため滑ったり緩んだりしたのでしょうが、皮下脂肪の少ない鳥類・爬虫類・両生類や小型哺乳類ならアルミ製でも問題ないと思います。

 以上を踏まえて、私は解体なら従来品の方が扱いやすいですが、対象によってはアルミ製でも使えると感じました。

 

 刃物は十分に気を付けて取り扱うことと、本来以外の用途に用いる際はその製品の特性を考慮して選択する必要がありますね。

 

 それでは、また。