スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

標本作成法

岩手の夏は短い

2ヶ月前に解体したヤギはデカ鍋で水浸けし、約1週間おきに水換えをしながら様子を見ておりました。 肉はもうありません 頭も良い感じ 若いので数ヶ所バラけています。 普段ならあと1ヶ月は置きますが、連日の猛暑で高温が保たれたおかげで腐敗も順調に進…

自主練習してきました

昨日は牛の博物館主催の『動物の標本づくり自主練習』に初参加してきました。 牛の博物館の自主練習については前から知っていたものの、看護師のくせに人見知り&コミュ障なもんで、団体に参加したり人に声をかけたりするのに及び腰になっていたのです。第一…

若タヌキと仔ネコ

気が付いたら前回の更新から1ヶ月以上経過していました。 勤務の都合や家庭の事情により、遺体探索や骨作業があまりできず、話のネタもなかったのでサボっておりました。 今日は先週拾ったタヌキの頭を茹でつつ、乾燥中の若タヌキと前回の仔ネコを回収しま…

ペットの標本を作るということ

今回は長い話になります。 ちょっと前にTwitterでペットの標本を作ることについて話題が上がっていたので、便乗して私のペットと標本との考えを語ります。 故ネコ達 私は自分の飼育していた動物が亡くなった時には骨格標本を作りたい派です。 それが哺乳類で…

水揚げ

今日は盛岡も35℃の猛暑日です。 この暑さで色んなものが腐りやすく、作業が進みますね。 実家で水浸けしていた子のうち、骨だけになったものを引き揚げてきました。まだ有機物が残っているものは香ばしい臭いを放っていますが、骨だけになれば気にならない程…

自己流マムシの骨格標本の作成過程

このブログではいつも骨になった状態しか写真載せていません。解剖中の写真をあまり撮っていないこともありますが、どこまで載せるとアウトなのかわからないので、あまり生々しい写真は載せないことにしています。 でも、フォルダ整理していたらマムシの写真…

やってみたかったこと

突然ですが、永久歯が生え揃ったばかりの若いタヌキを拾いました。 頭骨の縫合がまだ緩いので、前からやってみたかった分離標本にしてみようかと思います。とりあえず4時間煮込みました。 正中矢状断。頭を縦半分に切断します。 歯はあらかじめ抜いて別途処…

感染対策の手引き完成

やるやると言って、なかなか完成しなかった野生動物の遺体取り扱いに関する感染対策の資料がようやくまとまりました。しかも当初の予定を大幅に越えて、20ページに渡る大作になってしまいました。 看護師を名乗ってはいますが、標本作りに関しては素人なので…

お道具箱

標本作りをされている方はそれぞれお気に入りのアイテムをお持ちだと思います。 でも初めて標本作りをする時はどんな道具を揃えたらいいのかわからなくて困りますよね。 それに経験を積んでも、他の人はどんな道具を使っているのか気になります。 というわけ…

スカベンジャーの図書室

骨格標本の作成を何の知識もなく始める方は少ないでしょう。 私はその少数派でしたが。それ故、かなりの苦労と失敗をしました。 今はインターネットでどんな情報も手に入りますが、やはり紙の書籍も手元に欲しくなりますよね。なぜなら、骨格標本を集める人…

あめかまり

タイトルの『あめかまり』という言葉、ご存知ですか? これは、あめる(腐る、傷む)+かまり(匂い)、つまり『(食品の)腐った匂い』を意味する岩手県の方言です。 使用例「あぃや、このまんまあめかめりしてらじゃ。はぁかれねぇな」 訳:(あれ、このご飯傷ん…

スカベンジャーはうんちも拾う

今日は健康診断。大腸がんの検査のため、検便の採取も行いました。 看護師という仕事柄、人の排泄物を取り扱うことも多いですし、家では娘のオムツを替えるので、うんちとの関わりの深い日常を送っております。 さらに、趣味の流れでうんちを取り扱うことも…

失敗例とか

地元では入手できない動物の標本はオークションやフリマアプリで購入することが多いのですが、妻に迷惑をかけぬよう、受取りは最寄りの宅配便営業所にしています。 しかし、今回は受取り場所の変更手続きをする前に届いてしまい、仕事中に妻からLINEが来てま…

骨格標本の作り方③

だらだらと長文ばかり打つので、骨格標本の作り方だけで三回目に突入してしまいました。 文章力の無さと伝えたいことの多さ故、ご了承くださいませ。 という訳で、骨格標本の作り方③です。④水に浸ける 水を張った容器や池などに投入して腐敗させる方法です。…

骨格標本の作り方②

今年は5月なのに20℃超えの日が多く、夏が思いやられます。でも、気温が高い方が骨格標本作りには都合が良いので作業も捗りますね。 というわけで、前回は標本材料となる動物の入手方法をご説明しましたので、今回は骨格標本の作り方をお話ししていきます。 …

骨格標本の作り方①

これまでいくつかの頭骨や骨格標本をご紹介してきましたが、今回と次回はどのようにこれらの標本を作っているのかお話ししたいと思います。 まず標本作成のためには動物の遺体がなければ始まりません。なので、今回は私の経験に基づく遺体の入手方法と、その…

サキシマスジオ

前回に引き続き、今回もヘビです。 今までは地元で回収した動物をご紹介していましたが、今回は地元以外で回収した個体となります。 沖縄に生息するサキシマスジオは、日本在来種の中では最大のヘビとも言われ、その全長は優に2mを超えます。 某鬼さんと鰐…

春しかできない骨格標本の作り方?

今回のテーマはもっと早いうちにやるべきでしたが、タイミング逃してしまいました。 本当は4月がいい時期だったんです。 さて、春しかできない骨格標本の作り方とは? これについて話す前に一般的な骨格標本の作り方を紹介しますね。詳しくは他にも説明して…