私の遺体入手方法はほとんどがロードキルのため、標本も哺乳類が多いのですが、たまに爬虫類・両生類も作ります。
しかし、ヘビやカエルは轢かれるとぺちゃんこになってしまうため標本として残すことが難しいんです。
なので、たいていは生体を捕獲・飼育したうえで亡くなった個体を標本にしています。
今回のアズマヒキガエルも飼育個体で、越冬に失敗してしまった子でした。
しかも、生きている時の姿勢そのままでミイラ化していたのです。そこで普通の骨格標本ではなく、ミイラ化した皮膚を残した半骨格標本?にしてみました。
右側は皮膚があり生きているみたい
左側は骨格の様子が観察できます
下から
上から
ヒキガエルは両生類なので、我々哺乳類とは構造の異なる部分がたくさんあります。ここでは説明しきれませんから、1点だけ。
前肢は4本
後肢は5本
なのですが、後肢の第一趾の隣にもう1本突起あるのがわかりますか?(カメラの性能上これ以上アップで撮れず見辛いですが)
これは6本目の趾です。機能は不明ですが、魚類の鰭が指や趾に進化したものなので、その名残なのかもしれませんね。
ゴライアスガエルの後肢
ちなみに、世界最大のカエル。ゴライアスガエルにも6本目の趾(軟骨)が見られます。この写真では分かりにくいですが、他の趾と同様に関節のような節もあります。
インターネットや書籍で見ると、一般的な骨格標本にこの6本目の趾は残されていないので、私も実際に作成するまで知りませんでした。
他の人が見落としていたことを新たに発見できるのも、数々の標本を作成してこその体験だと思います。
『経験に勝る学びはない』
by.スカベンジャー
それでは、また。