スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

夏の夜の話

 今回は趣向を変えた内容となっております。怖い話が苦手な方はご注意ください。


 私は年中動物の遺体を扱ってますが、動物の霊と出会ったことはありませんし、病院でも患者さんの霊と出会ったことも(多分)ありません。
 おばけより熊やスズメバチと不意に遭遇することの方がリアルに怖いと思います。

 というのが前振り。

 ↓
 盛岡市の近くには『東北最恐の心霊スポット』とも言われる慰◯の森があります。
 この近辺は夜間の交通量は少ないものの野生動物の生息密度が高いためか、ロードキルがよく発見されるので私の深夜の探索ルートの一つになっています。
 前を通るだけなら何の怖さもないのですが、ここで3度不思議な体験をしました。

 1度目は夜勤の帰りがてら森の前を通過した時。突然視界の端(助手席側)に赤い服を着た女性の姿が入ってきました。
 何かいるのを感じながらも私は正面を向いたまま、なぜか横を向けませんでした。しかし明らかに横に人の気配があり、黒い髪、赤い服が横目に見えていました。
 そして森の前を通り過ぎ、しばらくしたら消えました。時間にすれば10秒程度かもしれませんが、ちょっとビビりました。

 2度目は森の少し手前にある駐車場近く。
 冬の深夜にもかかわらず、歩道を歩く人の後ろ姿が見えました。
 (こんな時間にこんな所で何やってんのかな?)
 不思議に思いながら、追い越しざまに顔を見ようと横を向きましたが、誰もいませんでした。サイドミラー越しにも歩道に人の姿はありませんでした。

 とまあ、このくらいなら寝不足による幻覚でも見たのかと思いますよ。

 3回目は今日の深夜3時。夜勤の帰りにまた走っていると、森の入り口の看板近くにロードキルらしき物体を発見。車を降りて確認してみたら木の枝にゴミが絡まってただけでした。
 と、その時。背後から『ピー』という音が。
 振り返ると車のオートスライドドアが開いていました。もちろん誰も乗っていませんし、ボタンにもキーにも触れていません。
 そして2~3秒ほどして、再び勝手に閉まりました。

 という体験をしただけです。
 何だったんでしょうね?

 ちなみに、慰◯の森は心霊スポットとして有名ですが、本来は事故の犠牲者を弔う場であり、遺族にとっては大切な人の眠る重要な地であります。色んな話が尽きない場所ではあるものの、興味本意で煽ったり揶揄したりするつもりはありません。
 ただ自分の体験を語りたかっただけですので。


 それでは、また。

*おまけ
 今日のお土産
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 ハクビシン
 見た目はきれいそうですが、全身に擦過傷があり、頭も体も骨はズタボロ。全身を強く打って死亡したのでしょう。