当たり前ですが、ロードキルの犠牲になるのは陸上の動物なので、路上で海の動物の遺体に出会うことはまずありません。
しかも盛岡は内陸であり、最寄りの海までも2時間弱はかかるうえ、岩手の海岸はリアス式のためビーチコーミングに適した浜も少ないので、私は海棲生物の遺体をほとんど持っていません。
となると、入手するためには購入するのが一番です。今回ご紹介するのは、ヤフオクで落札したトド(♀)の頭骨です。3~4万円くらいだったかな?
左側面
上面
下面
歯列
下顎
パッと見は哺乳類っぽさがありますが、やはり陸上の哺乳類とは違った独特な形状をしていますね。
眼窩が大きく、鼻先は尖っていて、外矢状陵はありません。
さらに特徴的なのは歯。数が少ないだけでなく、犬歯より奥は同じ形で、上顎に至っては一番奥に独立した歯が一対生えています。
歯の形状は魚を捕食するのに適しているのでしょうが、一番奥にある歯は何のためにあるのか?
ご存知の方も多いでしょうが、トドは雄と雌では同じ種とは思えないほど骨の形が全く異なります。雌は比較的シンプルな形状ですが、雄はゴツく重厚感のある頭骨となっていて比較用にいずれは雄の頭骨も欲しいところです。
そもそも素材自体が入手困難なため、動物標本を専門に販売している業者以外では販売されていること自体が稀なうえ、値段も半端ないので購入は難しいですが。
いつか雄トドの遺体を拾う日を夢見つつも、今年は海にすら行けておらず、手招きしつつ遠ざかる夢を儚く思う日々。
それでは、また。
*おまけ
青森で拾った若い雌トド。
既に白骨化して欠損も多く不完全な状態ですが、自分で直接発見して拾ったものは感慨深いですね。