唐突ですが、オークションでブラッドパイソンの遺体を入手しました。
もちろん標本用に。こんな貴重な個体を提供してくださった出品者さんには本当に感謝しています。
師匠の息子さんも蛇好きで飼育もしているので、解体に誘ってみました。スペースの関係上、実家でやることにしたのですが、その連絡をしている最中に母親から妻にLINEがあり、解体予定日に姉達(姉×2、旦那×1、甥&姪×4)が実家に集まるとのこと。
さて困った。みんな集まるなら嫌がられるかな?師匠の息子もアウェー感高まって来づらくなるかな?と考え、一応双方に説明したところ、親&姉&姪が見学を希望。師匠の息子さんも気にしません。ということで、予定通り実家にて作業することに。
届いた直後。体重5.1kg、全長140cm。
冷凍で送られてきたため、カチカチ。この状態でも新聞と見比べると大きさが窺えますね。
解凍後。まだ硬いけど時間の都合上、解体開始。
長さはアオダイショウより短いものの、胴周りが太い。
みんな「何か大きい餌飲み込んだの?」と聞いてきますが、この体型がブラッドパイソンの標準なんですよね。でも説明しても「ヘビじゃないんじゃない?」「何かの病気かな?」と口々に話し、スリムな日本のヘビしか知らない人には理解できないようでした。
腹板もキャタピラーみたいでカッコいい。
これを見て、「ヘビというより魚みたい」という意見も出てきました。各々の中にあるヘビ像が崩れ始めたようです。
パイソンなので蹴爪もありますが、小さいです。そしてボケてるから見辛い。
我が家の家族でヘビに嫌悪感を持ってる人は上の姉だけで、下の姉や親、姪も抵抗はないので、みんな興味津々に覗いたりしていました。
皮が剥けて肉が露になると、「意外と美味しそう」「鶏肉みたい」と見る目もさらに変わってきました。
私も本当は試食したかったけど、初心者と共に時間制限のある中での作業だったので、食用向けの配慮をして解体していられず、『今回は』断念しました。(次の機会があれば是非)
胃の中は空でしたが、腸には哺乳類の体毛を含む糞が見られました。
師匠の息子さんも解剖は初めてとこのとでしたが、皮剥きを手伝ってもらいながら、標本の作り方や内臓の構造など説明していきました。
本当は血が苦手なうえに、見知らぬ人に囲まれて緊張ぎみでしたが、それなりに楽しめたそうです。
私「今度は哺乳類もやってみる?」
息子「たぶん哺乳類は無理だと思います…」
息子さんは裏の畑にある椎茸のホダ木から、虫の食痕がついた物を6本ほど見繕って持って帰りました。彼は虫屋なので、本命はこっちだったのです。
この日の作業は皮剥き、内臓取りで終了。マムシなら10分程度で終わる作業も、このサイズになると1時間以上かかりました。腰と指が痛いです。
剥いた皮。写真では模様が見えませんが、実物はとても美しいです。
頭。
胴体。
さて、これからは皮に残った肉、脂肪の除去をして鞣し作業。もちろん骨格標本も同時進行していかなければなりません。
雪が降るまでに皮は終わらせたいな。
それでは、また。