スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

7月はこころの日月間

 今回は、仕事に関連して「こころの健康」のお話。 
 
 よく「自分の敵は自分自身」とか「最大の敵は自分の中にいる」などと言いますよね。この敵というのは、『こころの弱さ』すなわち(甘えたい)(休みたい)(逃げたい)(頼りたい)というような気持ちであり、勉強したり、仕事をしたり、夢を叶えたりするためには、『こころの弱さ』に打ち勝ち、努力し続けなくてはいけません。

 と、いうのが一般的な見解でしょう。
 しかし、私はこの考え方はあまり好きではありません。
 なぜなら、自分自身さえも敵に回すような人生は楽しくないから。
 戦わなくてもいいのにわざわざ自分の中に敵を作って無駄に戦って、結局どちらが勝っても敗者は自分。それでいいの?

 もちろん、勉強や仕事や人生において何かしらの成果を求めたり、勝敗をつけることを必要とする世界にいる人は『こころの弱さ』に抗わなければならない時もあるでしょうが、全ての人が常にそのような考えで生きていく必要はありません。
 真面目な人ほど自分の弱さを良くないもの、恥、みんなの迷惑と考え、克服するために無茶をしてしまいます。その結果、ストレスでこころの不調をきたし精神疾患を発症したり、ストレス性の身体症状が現れたり、自殺したりすることになります。

 『こころの弱さ』は自分が無茶をし続けることで、こころの不調をきたさないための調整役であると考えてみてはいかがでしょうか?
 精神的、身体的にストレスが過剰になっている時に(逃げたい)(休みたい)(頼りたい)と思うのは当然のことで、
「今このストレスから距離をおかないと自分の心身がヤバくなるよ。ちょっと休みなよ…」
 と自分自身に声をかけてくれているのです。
 それなのに、
「お前は敵だ!俺はまだ頑張る!」
 と言って振り払ってしまっては可哀想ですよね。そして自分は倒れてしまう。
 
 みんなが敵だと言う『こころの弱さ』は、本来は自分自身を守る最大の味方なのです。
「甘えたい時は甘えていいんだよ」
「休みたい時は休んでいいんだよ」
「逃げたい時は逃げてもいいんだよ」
「頼りたい時は頼っていいんだよ」
 誰も言ってくれないなら自分が言うしかない。

 そうしてストレスから一旦離れ、こころの調子を整えてストレスに耐えられるコンディションになってから、またできるところから頑張っていけば良いでしょう。
 現実は厳しいし、必ずしもこの方法でうまくいくとも限りませんが、少なくとも気持ちは楽になると思います。

 弱さは恥ではありません。自分が生まれてから今までずっとそばで見守ってくれていた一番の理解者を認めて受け入れてあげましょう。


 それでは、また。