スカベンジャーの標本部屋

本業は看護師ですが、趣味で動物骨格標本を作成しています。

骨格標本

老キツネ

最近は新しい遺体を入手できていないので、この隙に作業中の骨達の処理を進めていきたいところですが、連休中は子どもも家にいるので中々進められず、結局溜め込みっぱなしの状況です。 前回はイヌの歯周病についてお話ししました。 動物医療の進歩や飼い主…

歯周病のイヌ

猛暑日が続き、冷房を止められない今日この頃。今月の電気代が怖いですね。 今日はイヌ。しかも重度の歯周病持ちの個体です。 この子は真冬の溜め池で浮かんでいるのを発見しました。近くを通った地元民に確認したところ、近所で飼われていたイヌではないと…

ニホンザルと人

最近ブログの更新が進んでいませんでしたね。 始めたばかりの頃は閲覧数がらなかなか増えなかったけど、いつの間にか3000回越えてました。 拙いお話に付き合ってくださる読者の皆様には、本当に感謝しています。 今日は受診のため診察待ちの間に更新できそう…

スカベンジャーの図書室

骨格標本の作成を何の知識もなく始める方は少ないでしょう。 私はその少数派でしたが。それ故、かなりの苦労と失敗をしました。 今はインターネットでどんな情報も手に入りますが、やはり紙の書籍も手元に欲しくなりますよね。なぜなら、骨格標本を集める人…

よからぬ話・後編

*今回のお話も私の調査結果と考察したことを述べさせていただきます。 但し、今までとは少し方向性の変わった話になること、その内容が人によっては大変ショッキングなものであることを踏まえ、 『嫌な気分になる話は読みたくない』 という方は閲覧をお控え…

よからぬ話・中編

*今回のお話も私の調査結果と考察したことを述べさせていただきます。 但し、今までとは少し方向性の変わった話になること、その内容が人によっては大変ショッキングなものであることを踏まえ、 『嫌な気分になる話は読みたくない』 という方は閲覧をお控え…

よからぬ話・前編

*今回のお話も私の調査結果と考察したことを述べさせていただきます。 但し、今までとは少し方向性の変わった話になること、その内容が人によっては大変ショッキングなものであることを踏まえ、 『嫌な気分になる話は読みたくない』 という方は閲覧をお控え…

二度轢かれたキツネ

たまにいるんですよ、骨折の治癒痕のある遺体というものが。 私が初めて骨格を組み立てたタヌキも肋骨に骨折の痕跡がありました。 車に轢かれた動物全てが亡くなる訳ではないので、無傷だったり多少の怪我で済んだりして生き延びられる動物もそれなりにいる…

スカベンジャーはうんちも拾う

今日は健康診断。大腸がんの検査のため、検便の採取も行いました。 看護師という仕事柄、人の排泄物を取り扱うことも多いですし、家では娘のオムツを替えるので、うんちとの関わりの深い日常を送っております。 さらに、趣味の流れでうんちを取り扱うことも…

トウホクノウサギ

久しぶりの頭骨紹介。 初の草食動物。繁殖力は高いはずなのに、なかなかお目にかかれないノウサギ。 よしんば遺体を発見しても、大抵ぺしゃんこで回収不能なので、頭が無事な遺体に遭遇すると興奮します。 というわけで、ご紹介。 側面(下顎骨にひびが入っ…

骨洗い

最近暑い日が続き、活動日和なのに仕事と育児で思うように骨をいじれないスカベンジャーです。 しかし、今日は私が深夜勤のため妻子は実家にお泊まり中。 このチャンスを逃す手はない! というわけで、夜勤明けの体に鞭打って実家に帰り、水に浸けて腐らせ中…

失敗例とか

地元では入手できない動物の標本はオークションやフリマアプリで購入することが多いのですが、妻に迷惑をかけぬよう、受取りは最寄りの宅配便営業所にしています。 しかし、今回は受取り場所の変更手続きをする前に届いてしまい、仕事中に妻からLINEが来てま…

骨格標本の作り方③

だらだらと長文ばかり打つので、骨格標本の作り方だけで三回目に突入してしまいました。 文章力の無さと伝えたいことの多さ故、ご了承くださいませ。 という訳で、骨格標本の作り方③です。④水に浸ける 水を張った容器や池などに投入して腐敗させる方法です。…

骨格標本の作り方②

今年は5月なのに20℃超えの日が多く、夏が思いやられます。でも、気温が高い方が骨格標本作りには都合が良いので作業も捗りますね。 というわけで、前回は標本材料となる動物の入手方法をご説明しましたので、今回は骨格標本の作り方をお話ししていきます。 …

ニホンマムシ

今回は爬虫類。ニホンマムシです。 毒蛇として有名なため、ヘビに興味が無くてもその名を知らない人はいないでしょう。 猫のような縦長の瞳孔や独特の模様、ザラザラした質感、三角の頭、ずんぐりした体型、そして可動式の毒牙。 いかにも毒蛇といった外見で…

イエネコの不正咬合

先日、1歳の娘と外で遊んでいたらシマヘビがいたので捕まえて娘に見せてみました。躊躇なくシマヘビの体を触り、掴もうとする娘(もちろん頭は私が抑えていました) 良し良し。順調に英才教育はできているようです。 前回、前々回に引き続き、今回もイエネコ…

イエネコの病理標本

動物の標本を収集していると、時にイレギュラーな個体と遭遇することがあります。 例えば骨折の既往、奇形、病気などです。 骨折や奇形は骨に残り易いですが、病気はなかなか骨からわかることがありません。しかし、骨に影響を残す病気もあるのです。 その一…

イエネコ

ネコ可愛いですよね。 私の実家では2頭飼っています。かつては4頭でしたが、2頭は星になってしまいました。 ネコは野生動物ではなく飼育動物ですし、野良でも人の生活圏で暮らす個体が多いため、ロードキルは都市や住宅地などでも起こり易いです。 そのた…

ニホンアナグマ

今日は朝から大きな地震が来て大変でしたね。岩手もかなり揺れましたが、とりあえず家(標本たち)は無事でした。 宮城の方達はご無事でしょうか? さて、今日のお友達紹介です。 見た目はタヌキのようだけど、名前はクマ。でもイタチの仲間。 そんな曖昧な存…

春しかできない骨格標本の作り方?

今回のテーマはもっと早いうちにやるべきでしたが、タイミング逃してしまいました。 本当は4月がいい時期だったんです。 さて、春しかできない骨格標本の作り方とは? これについて話す前に一般的な骨格標本の作り方を紹介しますね。詳しくは他にも説明して…

アズマヒキガエル

私の遺体入手方法はほとんどがロードキルのため、標本も哺乳類が多いのですが、たまに爬虫類・両生類も作ります。 しかし、ヘビやカエルは轢かれるとぺちゃんこになってしまうため標本として残すことが難しいんです。 なので、たいていは生体を捕獲・飼育し…

ハクビシン

以前、タヌキはヒトの生活圏に近いということを書きましたが、最近はタヌキに代わってヒトの生活圏に侵入してきている動物がいます。 タイトルの通り、『ハクビシン』です。 ハクビシンはかなり昔に日本に移入した外来種だとされています。 岩手でも20年程…

キツネ

前回はタヌキだったので、今回はよくセットで語られることの多い『キツネ』について。 タヌキに比べると遭遇率は低く、遺体を拾える機会は少ないですが、夜に山沿いの国道を車で走っていると道路脇に逃げていく姿を見かけることもあります。 警戒心が強いた…

ホンドタヌキ

↑タヌキの全身骨格タヌキは我々日本人とって、もっとも身近な野生動物ではないでしょうか? その理由には、以下のように彼らの生態が大きく関わっていると考えられます。1.環境への適応力が高い →雑食性であり、田畑や川、ゴミ捨て場など 人の生活圏の動植…